2015年から渋谷駅の改良工事を段階的に進めているJR東日本は、山手線の線路切替工事を行うため2023年11月18日(土)始発から19日(日)終電にかけて一部区間で列車を終日運休します。
埼京線・湘南新宿ラインや他社路線の利用を
工事は11月17日(金)終電後から20日(月)始発前まで、約52時間続けて行われます。山手線で運転を取り止めるのは大崎駅から渋谷駅を挟んで池袋駅までの区間で、18日(土)は池袋駅方面の外回り列車、19日(日)は大崎駅方面の内回り列車がすべて運休となります。山手線はそのほかの区間でも運転本数が減らされます。
工事期間中、渋谷駅では片方向の山手線列車を利用できますが、同線ホームの約半分は工事エリアとなるため、各改札からの一部の階段やエスカレーターが使用停止となります。特に「ハチ公改札」は、ホーム上の混雑状況により入場規制する可能性もあるとのことで、「中央改札」「南改札」に分散して利用することが推奨されています。
両日とも、大崎駅〜池袋駅間で並行する埼京線や相鉄線直通列車の増発または延長運転を行うほか、湘南新宿ラインも通常通り運転します。京浜東北線は快速運転を中止し、終日各駅停車での運転となります。JR東日本は迂回乗車の経路について周知を図るほか、きっぷや定期券をお持ちの方には東京メトロや都営地下鉄、東急電鉄など、他の鉄道事業者への振替輸送を利用するよう呼びかけます。
なお、悪天候などにより工事が実施できない場合の予備日は12月16日(土)・17日(日)です。延期となった場合でも、11月18日(土)・19日(日)の終日運休は当初の計画どおり実施されます。
(渋谷駅線路切替工事に伴う山手線運休区間の路線図、今回の改良工事の実施イメージなど詳細は下の図表を参照)
広々とした2本の自由通路で渋谷駅が変わる
改良工事に着手する前の渋谷駅は、埼京線ホームが恵比寿駅寄りに離れた位置にあったため、山手線や他社路線との乗り換えが不便でした。また、高架橋の高さが十分でなく、線路下で東西広場をつなぐ連絡通路には急な勾配や、天井高が低い箇所が存在していました。駅が抱えるこれらの利用しにくさを解消するため、2018年5月以降、4つのステップに分けて線路切替工事が行われてきました。
第1回と第2回の線路切替では、埼京線ホームが山手線と並列する位置に移設され、埼京線の線路とホームの高さも上げられました。続く第3回から第4回にかけての工事により、山手線の内・外回りで分かれていたホームが同一化されました。
今回は5回にわたる渋谷駅での最後の線路切替となり、快適な駅スペースを生み出すため、山手線の線路とホームを最大20cm高くします。その後、線路下に幅22〜23m、高さ2.6m以上を確保した高低差のない2本の東西自由通路を設ける工事が本格的に始まり、線路で分断されていた渋谷の街の回遊性が大きく向上します。
周辺まちづくりの核となる東急電鉄、東京メトロとの共同開発ビル「渋谷スクランブルスクエア」の第2期整備も本格化します。JR渋谷駅の上空に中央棟、東急百貨店東横店の跡地に西棟の建設が計画されており、営業中の東棟と一体化して渋谷エリア最大規模のオフィスと商業施設を供給します。